今日は、前回の「葉桐の火入れについて」の際、最後に少しお話ししたお茶の「拝見」作業から、その道具についてご紹介してみます。
お茶屋がお茶を仕入れる際に行う「荒茶」の品質鑑定作業を総称して、「拝見する」とか「拝見にかける」と言います。その「拝見」に使う道具がこちらの写真です。
まずこちら、荒茶見本を入れる拝見盆と見本茶葉です。
白い拝見茶碗と、もちろん茶葉
すくい網と匙
必要があれば急須
それから、熱湯も忘れてはいけません。
しゅんしゅん沸いている無味無臭な熱湯、そして薬缶も大事なアイテムです。このように使う道具は、いずれも簡単な道具ばかりです。
拝見での主役は、お茶の葉と、五感。人間の五感、“視覚” “触覚” “嗅覚” “味覚” “聴覚”をフルに活動させて、お茶の香味について様々な鑑定を一瞬のうちに済ませます。
ポイントは、ここでの五感は全て“香味の鑑定”に使うということです。目で見たお茶の形状や色も、手触りも、お茶を手に取った時のかすかなお茶がすれる音も、全ては「香味」の見極めのための情報なのです。
以上、静岡のお茶屋 葉桐の「拝見に使う道具」についてでした。
拝見の方法や、その時に主役である五感については、また改めて、次回ご紹介させていただきます。