お茶の葉を湯で戻して色を観察してみましょう

 こんにちは。
新しいブログのカテゴリー「お茶を観察してみました」を作りました。
皆さんといっしょに、お茶を様々な見方で観察してみるつもりでいます。
 
 さて、今日のお茶観察は、お湯で戻したときのお茶の葉の色の違いについて、
   ①同じ工場の一番茶と二番茶
   ②同じ二番茶の火入れ前と火入れ後
其々を比較しながら茶葉の色の違いについて、観察してみましょう。
 
①同じ工場の一番茶と二番茶の茶葉の色の違い
次の写真の右が一番茶、左が同じ工場の二番茶です。
ミルい物や深蒸し茶だと一番茶二番茶の比較がしにくいので、
今回ややコワ葉になった普通蒸し煎茶を用意しました。
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どちらも同じ工場の製品なので製造技術的には同じ精度で揉まれています。
にもかかわらず右の一番茶に比べ、二番茶がやや黄色いのが見て取れますが
、この違いは大雑把にお話すると次の2点によるものです。
1、一番茶に比べ二番茶はもともと繊維質が多い(葉がかたい)
2、二番茶製造時期は気温及び湿度が高いため、製造時の機械設定に制約がある
この様に一口にお茶と言っても茶期の違いで、製品に差が出ます。
 
②同じ二番茶の火入れ前と火入れ後の茶葉の違い
写真左が火入れ前荒茶を仕上ただけの茶葉、右がそれを火入れしたものです。
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火入れ前の茶葉にくらべ、火入れ後の茶葉が
黄色く褐色になっているのが良く判ります。
「火入れ」とは、荒茶に残っている5~6%程度の水分を
2%以下にして製品が含有水分により劣化するのを
防ぐための乾燥をしながら、香味を整えるための焙煎をすることをいいます。
ここで茶葉の色の変化を気にしすぎて「火入れ温度」を加減してしまうと、
美味しいお茶にならないばかりか、
出荷後の販売店の店頭やお客様のお手元に届いてからの劣化が
急速に進んでしまうお茶になってしまいます。
 
以上、茶葉の色を観察してみました。今日わかったことは①一番茶は二番茶よりも色が明るいみどりできれい ②火入れをすると茶葉の色は黄色くなるが、香味が良くなり劣化しにくくなる。この2点でした。
 
葉桐では茶葉の色や水色よりも、お茶の「香味」優先で火入れをしています。
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それでは、またお会いしましょう。