お茶の「拝見」の仕方

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さて、今日は「拝見」の仕方についてご紹介します!

「拝見」では、前回の「お茶を「拝見する」道具」で
ご紹介したものを使います。


まずは「拝見盆」を使っての外観審査です。
見本茶の色、光沢、形状を見ます。

ここでは、つやが有り透き通ったように見えるもの、
形にゆがみが無くスッと伸びている物が、
優秀な技術で揉まれたお茶です。

よく、緑色の濃い物が良いと言われますが、
色というよりも色沢が重要で、
優良な製品はあくまでつやが有り、透けて見える物です。

お茶だから透けては見えないのですが、
「透けて見える」ように感じるお茶が良いお茶の指標になります。


次に、拝見盆の見本茶を手で触ったり、握ったりします。
ここでは、乾いているのに「しとり」を感じるもの、
感触にガサつきがないものが優秀な技術で揉まれたお茶です。

拝見盆の底部に破砕した粉状のお茶が無いことが、
重要な条件となります。


荒茶の拝見の場合、4g(または3g)を「拝見茶碗」にとります。
僅か4gなので、サンプリングの偏りがない様、
見本茶全体を平均してとります。

簡単な作業ですが、プロの指先は同じ見本茶から
様々な「4g」を取り分けることが出来ます。


拝見茶碗のお茶に「熱湯」を注ぎます。
「1 2 3 4…」とテンポよく数えながら、
いつも一定のタイミングで湯を注ぎます。

・沸騰した熱湯であること
・同じテンポで注ぐこと
この2点はこの部分での拝見には重要な条件です。


注いだら間髪入れず「すくい網」で茶葉そのものの香気を鑑定します。
間髪いれないタイミングでしか発揚しない香気があるので、
要注意です。

ここではスッと鼻の奥に抜けて通るような香気を持つお茶が、
優秀な技術で揉まれたお茶です。

香りの種類を嗅ぎ分けるのではなく、
香りの性質に注目しての鑑定が重要です。

同時に開き始めた茶葉の様子を観察します。


またほぼ同時に「銀の匙」で拝見茶碗の茶をすくい、
啜り飲みでお茶を口中全体に広げて味を鑑定します。

ここでは香りと同じく、雑味が無く嚥下した後に「戻り香」が
鼻に戻ってくるお茶が、優秀な技術で揉まれたお茶です。

甘味やうま味など、味のパーツに囚われ過ぎずに、
戻り香まで含めたトータルの味わいを鑑定することが重要です。


最後に茶葉をよけて水色(すいしょく)を確認します。
ここでも「水色」とは書いていますが、
実際には色に囚われるのではなく、
濁りが無く、透明な色であることが優秀な技術で揉まれたお茶です。
とにかく透明感が大事です。


見本茶を拝見盆に空けてから最後までの一連の作業を、
1分足らずでこなしていきます。

以上が「拝見」の仕方になります。


それでは、夏の暑さに負けずに、元気に過ごして参りましょう♪
水分補給と適度の休憩を忘れないようにご注意ください!