蒸し製緑茶の製法①~お茶の葉がもつ酸化酵素~

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こんにちは、今日は雨のそぼ降る静岡です。
いつもは賑やかな街中も、
お昼頃はしんと静まっていて不思議な感じがしました。


今回のお話は、日本式の「蒸し製緑茶製法」について。
何回かに分けて簡単に書いてみたいと思います。

まずは、前提条件を設定します。

私たちは抹茶を扱うことの無い静岡のお茶屋なので、
ここでは一般的な煎茶(深蒸し煎茶を含む)や玉露等の
蒸した後揉みながら乾かして作るお茶に関してのお話をしていきます。


蒸し製緑茶の話を始める前に、
お茶の葉が持つ「酸化酵素」についてのお話をします。
ここが抜けてしまうと話が見えにくくなりますので、
お付き合いください。

お茶の生葉には「酸化酵素」が存在しています。
この酸化酵素は文字通り、お茶の葉を酸化させる働きをします。
この酵素が働くとお茶は発酵(本当は酸化しているのですが、
なぜか昔から発酵と言われている)し始めます。

日本の緑茶は、生葉をすぐに加熱して
酸化酵素の働きを止める「不発酵茶」です。

この発酵を最後までさせるとお茶は「紅茶」になり、
途中で止めると止めたときの発酵の進み具合などにより、
「包種茶」「烏龍茶」「鉄観音茶」等の半発酵茶になります。

これらのお茶の場合、
途中で酸化酵素の働き(発酵)を止める手段として、
多くの場合「釜炒り」の熱によって
残った酸化酵素の働きを失活させています。

一方、これから話を進めて行く「蒸し製緑茶」は、
生葉を蒸気で蒸す事で酸化酵素の働きを止めます。

ここでは、原料となる「生葉」と、
その生葉の酸化酵素を失活させる「蒸気」が主役です。


…今日はここまで。
次回は、「蒸気」について考えたいと思います。


なお、13日(水)、14日(木)は葉桐休業日となります。
ご了承くださいませ。