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こんにちは、静岡のお茶屋 葉桐も新入社員を迎え、大いに活気づいています。

(おまけの動画はこちらから→ https://youtu.be/boZXrYsptNk  )

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本年度入社は四名、営業一名、直販二名、経理一名です。先日新人研修の一貫として、葉桐を代表する生産家の皆さんのところへ行ってきました。生憎の春の小雨が降る道中でしたが、彼らにとって大きな刺激になってくれたようです。

 

一件目は清水は大平、JAS有機栽培の山本さんの茶園です。ここからは新人たちの感想をメインにして記録します。

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直販新人田形:   直接会ってお話を聞く事でお茶に対する思いや、有機栽培の大変さを聞く事ができ、その温かい人柄や、社長や葉桐との信頼関係を強く感じました。

 

この感じたことを大切に、活躍を期待しています。

 

 

二件目は標高800m 天空の茶園 東頭(とうべっとう)です。小杉さんのご厚意で初体験のモノラックにも試乗してみました。     こんな感じです。

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直販新人石神:  実際に足を運ぶ価値があるという意味が分かった。お茶についての勉強だけでなく生産者の方と深く関わり知識を深めたいです。

 

良いですね。素直な感想と旺盛な好奇心、伸び白が楽しみです。

 

 

東頭(とうべっとう)は雨、摘芯された穂に水滴が光っていました。

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営業新人藤原:   生産農家のお茶生産に対する意気込みを聞かせていただきました。お茶に対して妥協をせず情熱を持たれており、作られたお茶は大変おいしかったです。

 

その「大変おいしかった」をお客様にガンガンお伝えしてくださいね。

 

茶園訪問、モノラックと初体験続きで大騒ぎでしたが、この時だけは静かでした‥‥

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雨の中の記念撮影、皆良い笑顔です。葉桐の明日は明るそうですね。

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経理新人山本:  生産家さんのお話しを聞き茶園を見て、葉桐のお茶には社員だけではなく、生産家さんたちの思いが詰まっていることを実感しました。

 

その熱い想いをお客様にお届けすることが葉桐の仕事です。お客様の知りたいことをもっともっとお伝えしたいですね。

 

 

山を下った県道沿いの蒼風、もうこんなに芽が展開していました。標高800mのやぶきたと標高200mの蒼風の大きな違いに、お茶の多様性を感じます。

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三件目は本山高山、無農薬栽培の繁田さんです。繁田さんにはお茶だけでなく、玄米茶用のお米も無農薬で作っていただいています。

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田形:  これから直販部で、生産家さんのためにも一生懸命仕事をしようと、どうしたらお客様に上手にお伝えできるのか考えていきます。

石神:  社長のブログやパンフレットなどの文だけでは伝わりきらない苦労や想いがあり、自分が見て現場の説得力をお客様に伝えていく。 

藤原:  一人でも多くの方に飲んでいただけるように、営業で頑張っていきます。

山本:  離農が多く荒れた茶園が増えている、茶業界の厳しい現状を聞くにつけこだわりをもって育てたお茶を、たくさんの人に飲んでもらいたいと思いました。

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生産家の皆さん、ありがとうございました。彼ら新人にとって忘れられない一日になりました。

 

指導役先輩落合部長、ご苦労様でした。皆一丸となって、生産家の皆さんの人柄や想いまで世の中に発信していきましょう。新人の皆と一緒に、お客様にお伝えしたいこと、共に学びながらもっともっと発信していきましょう。

 

 

長文御免 お茶屋葉桐 お茶の葉ブログ 葉桐清巳から報告でした。

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それではまた、近日中に新茶記事でお会いいたしましょう。

 

 

 

 

 

こんにちは。ご無沙汰し申し上げました。
 
「静岡のお茶屋 葉桐 お茶の葉ブログ」 久々の茶園探訪記です。
 
今回は最近「静岡のマチュピチュ」と話題になっている清水区吉原、
白鳥安章さんの茶園を訪れました。
生憎の大雨でずぶ濡れになりながら、良く手入れをされた雨に濡れる
美しい茶園にうっとり、こんな感じでの撮影でした。
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場所を移動しながら小一時間傘をさしてじっとしていたので、
事情を知らない方が見かけたら間違いなく「不審者」だったろうなと、汗!! です。
でも、雨の中撮影した作品「お茶の谷を訪ねて」 → https://youtu.be/T6F3cugJ4p8 は、
なかなかの出来(本人談)。芸術的ですらあるなと感心しきりです。
 
 
愛車も
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白鳥さんの茶畑も
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みんな雨の中でした。
 
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それにしてもピシッと手入れされた茶畑って、本当に美しいです。
園主の白鳥安章さんの人柄なんでしょうね。
この動画のロケーションの中、しっかり手が入った茶園で生産されるお茶が、
美味しくない訳がありませんよね。
この山間の茶園立地こそが、「静岡茶」のアドバンテージなのです。
これからも葉桐は山間のお茶を追及していきます。
 
 
ちなみに撮影の最後は、前が見えないくらいの土砂降りでした。
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以上、静岡のお茶屋 葉桐 お茶の葉ブログ 「お茶の谷を訪ねて」 葉桐清巳でした。
 
 
皆様に美味しいお茶を、もっともっとお届けしていきます。
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はじめての水出し煎茶セットのおすすめ

こんにちは。山奥のお茶屋 葉桐です。
今日は簡単な、でも本格的に美味しい水出し煎茶の作り方です。
これを読めば今日からあなたも「お茶淹れ名人」です。

 

それでは、始めましょう。
毎日暑い日が続きますね。暑い夏には免疫力を高め、抗酸化、抗菌作用に加え、抗がん、抗動脈硬化などの作用が確認されているスーパーカテキン、「エピ・ガロ・カテキン」がたっぷりな水出し(氷水出し)煎茶が一番です。

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今日はお茶屋 葉桐が提案する、どなたにもお手軽に本格的な「水出し煎茶」が淹れられる「はじめての水出し煎茶 セット」をご紹介します。 今回夏の特別企画として
 ガラスポット120ml-1つ
 茶葉8g計量用ボール  -1つ
 白磁湯呑浜高     -2つ
 葉桐冷茶8g一煎パック -1袋  
以上5点セットでなんと1,000円でのご案内です。つぎの写真をご覧ください。(ペットボトルの水は商品に含まれません)

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淹れ方は簡単、次の①~③たったの3ステップです。


淹れ方①:今回同封の一煎パック8gが一回分なので、封を切りボールにあけてその量目を確認ください。ボールの淵の下側が8gの目安となります。

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淹れ方②:次にこの茶葉をガラスポットに入れ水を60ml注ぎます。

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60ml こんな感じです。この状態で3~5分(お好みで)ほど待ちます。その間楽しい会話をお楽しみください。

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淹れ方③:3分ほどたちました。湯のみに注ぎ分けます。
こんな感じでも

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こんな感じでも注ぎやすい態勢で注いでください。その際、市販のストレーナーをお使いいただいても良いかもしれません。

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あっという間に本格的に美味しい「水出し煎茶 二人前」の出来上がり。今日からあなたもお茶淹れ名人です。

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ご自身で楽しまれるも良し
大切な方とのティータイムに良し
もちろんお客様のおもてなしにも最適です。

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お好みで氷を使っての「氷水出し煎茶」でもお楽しみいただけます。淹れ方②の写真を次の写真に置き換えてご覧ください。

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簡単淹れ方3ステップのおさらいです。

①茶葉を8g取ります。ボールの淵の下側が8gの目安です。

②この茶葉8gをガラスポットに入れ、水60mlを注ぎ3~5分待ちます。

③湯呑に注ぎ分ければ出来上がりです。

以上、エピガロカテキンたっぷりの水出し茶について、 お茶屋 葉桐  お茶の葉 ブログ  葉桐清巳からご案内でした。

 

「はじめての水出し煎茶 セット」はこちら→ https://hagiricha.com/tea-things/mizudashiset/

また、お茶屋 葉桐では水出し茶を作るのに最適な普通煎茶(伸び煎茶)を取り揃えています。こちらホームページから詳しくご覧いただけます。→https://hagiricha.com/

 

 

 

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それではまたお目にかかりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

茶の生産量推移について

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こんにちは。
静岡山奥のお茶屋 葉桐です。きょうは新聞などで報道されている「今年のお茶は、生産量が少ない」という話について、実際どうなっているのかについて考えてみましょう。その際に、静岡県産茶の約10%を安定的に扱う静岡茶市場の取扱数量に注目してみました。

現在2015年7月18日にこれを書いています。
この時点で静岡県内産の二番茶生産は終了しています。

写真のグラフをご覧ください。静岡県産茶の平成23年~27年5年間の一・二番茶の扱数量です。7月14日に静岡茶市場で撮影したものですが、明らかに本年の取扱数量が少なくなっています。(単位は万キロ、グラフの上限が200万キロです)

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ここ5年間の一番茶のピーク24年170万キロに対して、27年は128万キロ約75%

二番茶に関してはピーク25年122万キロに対して、27年は83万キロ約68%となっています。この数字を元に生産関係者のお話を伺うと、生産数量はほぼ茶市場の扱い数量に比例して、少ないとのお答えがかえってきました。

生産量が少ない原因としては、一番茶では凍霜害や天候不順などここ数年の春先の気象条件が大きく影響しています。また、二番茶では長雨などの天候不順に加えて①茶価の低迷(販売価格が安い)による生産意欲の減退。②品質良いものを製造するために前倒し摘採したため、単位面積当たりの収穫量が少なくなった。③環境保全型農業推進で肥料を減らされたため、芽伸びそのものが悪くなった。などの事が考えられます。
本年二番茶の途中で「減産」が懸念され、畑に長く置くことで生産量を増やすための指導や努力をしたにも関わらず、大減産となってしまいました。これなどは③で指摘した減肥による畑地力の低下が垣間見えて、産地として考え方の方向転換を迫られている様に感じます。このままではお茶の都静岡の銘茶が廃れかねません。

葉桐へ荒茶を直接持ち込む優秀な茶生産家のお茶を見ていると、肥料をしっかりやるか減らすかの差はとても大きなものだと、 。

 

さて、目を転じて静岡茶市場の県外産茶扱い量を見てみましょう。葉桐では静岡県産茶しか扱わないので、実態を良く把握していません。あくまでも静岡茶市場の取り扱い実績としてご覧ください。

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見方は県内産のグラフと同じく、単位は万キロ、グラフの上限が200万キロです。

一番茶も二番茶もここ5年間のピーク時の80%ほどにとどまっています。こちらの取扱量の減った原因を市場担当者にうかがったところ「静岡が弱い」、要するに静岡の相場が安いので、高く売れる地元などに自然に販売にシフトし静岡に荷が入ってこなかった、とのことです。
早い話が県外産茶を扱う静岡のお茶屋の元気がない、ということのようです。でも県外産茶を扱うお茶屋さんは静岡産茶だけでは足りず、または飽き足りずに、その勢いで県外産茶を扱ってきたはずのお茶屋さんです。なのに元気がない??? 

いったいなにが起こっているのでしょうか?不思議な現象ですね。

山奥のお茶屋 葉桐のつぶやきでした。

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それではまたお目にかかりましょう。

静岡のお茶屋 葉桐の 茶業雑感でした。

 

 

 

 

 

こんにちは、「お茶屋 葉桐 お茶の葉ブログ 茶園探訪記」です。
 
今回は静岡市清水区大平にある、山本さんのJAS有機栽培茶園新茶摘採にお邪魔しました。大平は清水の北、興津川支流上流部の山中に位置します。
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こちらでは270㌃の茶畑全園で、JAS規格に適合した有機栽培を実施しています。有機栽培のためか茶園をゆく風さえ爽やかさが違って感じられます。
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一年を通じて農薬を使用することなく、有機質の肥料で丹精をしてきました。今年も、無事にこの季節を迎えることができました。
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茶園の状態を良く見極めて
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さあ摘採開始。夫婦息を合わせて刈り取っていきます。
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山本さんです:JAS有機栽培を始めて14年になります。最初は苦労しました。病気で茶園がダメになってしまうかとも思いました。それでも試行錯誤の繰り返しで、ここまできました。今では慣行(通常の防除をする)栽培の畑と比べても遜色ない畑になり、お客さんから「美味しい」って言っていただける様になりました。
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製造は、有機で育て上げた茶葉の香味をそのまま引き出すために、深蒸し茶ではなく「普通煎茶」に揉み上げます。そのため「余分なことはしない」を旨としています。もちろん「蒸し」についても、あっさり蒸します。
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蒸した後は、ただひたすら揉んで乾かし、揉んで乾かしの繰り返し、身体に刻み込んだ確かな「普通煎茶」の製茶技術、腕の見せ所です。
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新茶とか静岡茶とか煎茶とか、よく一括りでわかったようなことを書いたり言ったりする方がいらっしゃいます。でも本当は二つとして同じお茶は有りません。品質や価格はもちろん、お茶の品種だって様々、栽培方法だって様々です。
JAS有機栽培で静岡茶普通煎茶技術の集大成品をお届けします。
まずは、JAS有機栽培普通煎茶 やぶきた
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JAS有機栽培普通煎茶 香駿
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JAS有機栽培普通煎茶 さやまかおり
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JAS有機栽培普通煎茶 かなやみどり
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JAS有機栽培普通煎茶 おくゆたか
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これからの季節、普通煎茶の氷水出しで驚きの味わいを体験いただけます。
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以上、清水大平JAS有機山本茶園 新茶摘採、製造について、 お茶屋 葉桐  お茶の葉 ブログ  葉桐清巳でした。
 
このJAS有機栽培茶園の様子を3分ほどの動画にしました。茶園現地の様子をご覧いただけます。
 
こちらから→ https://youtu.be/B83T-lbGqek どうぞ。
 
また、お茶屋葉桐のホームページでもJAS有機山本さんのお茶を詳しくご覧いただけます。
 
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2015年新茶 天空の茶園 標高800m 東頭(とうべっとう)を訪ねて

こんにちは、「お茶屋 葉桐 お茶の葉ブログ 茶園探訪記」です。(201503518)

今回は静岡市葵区横沢地内にある普通煎茶(普通緑茶)の最高峰、東頭(とうべっとう)茶園の新茶摘採にお邪魔しました。ここ東頭(とうべっとう)は標高800m、茶産地静岡の中でも新茶の摘み取りが遅い茶園になります。今まさに、摘み取る日を迎えました。「摘採適期」一年でたった一日だけの特別な日です。お茶摘みを開始する日を決めるには、畑に通って手で触って確認します。熟練の人にしかできないお茶摘みが始まります。

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今年も、鶯の音が心地よいこの季節になると、東頭(とうべっとう)茶園では新芽が成長、下の写真の様茶園はしっかりと充実します。この栽培の仕方と収穫の仕方が今しか味わえない旬の味、産地も品種も同じだけど、一度は飲んでみたい普通煎茶の最高峰を生み出します。

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ここ東頭(とうべっとう)では、機械摘採では成し獲ない品質を求めて、5月17日から5日間の予定で全園一芯二葉の手摘みをしました。

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生葉の集荷時には、指示通りの摘み取りがされているかを検品しながら、集荷します。

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摘み取った生葉は鮮度を落とすことなく工場で即揉み。この製造工程にも理由があります。水分を均一にとばすために、お茶どうしで揉んでいきます。畑で作った東頭(とうべっとう)の香りや味わいを、すべてお茶に閉じ込め一年間お楽しみいただける様に仕上ていきます。

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静岡茶と一口に言っても、価格だけを見てもピンからキリまであります。この疑問にお答えできる最高品質の静岡茶、このお茶作りを考え実行した人がすごい、静岡のお茶技術の集大成です。

標高800m 天空の茶園 東頭(とうべっとう)、本年2015年産も立派に仕上がりました。
これからの季節、氷水出し茶で驚きの味わいを体験いただけます。

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以上、標高800m天空の茶園 東頭(とうべっとう)新茶摘採、お茶揉みについて、 お茶屋 葉桐  お茶の葉 ブログ  葉桐清巳からご報告でした。

このお茶摘みの様子を3分ほどの動画にしました。茶園現地の様子をご覧いただけます。

こちらから→ https://youtu.be/ueKTsvU-xzk どうぞ。

また、お茶屋葉桐のホームページでも詳しくご覧いただけます。

こちらから→  https://hagiricha.com/japanesetea-toubettou/

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 こんにちは。
新しいブログのカテゴリー「お茶を観察してみました」を作りました。
皆さんといっしょに、お茶を様々な見方で観察してみるつもりでいます。
 
 さて、今日のお茶観察は、お湯で戻したときのお茶の葉の色の違いについて、
   ①同じ工場の一番茶と二番茶
   ②同じ二番茶の火入れ前と火入れ後
其々を比較しながら茶葉の色の違いについて、観察してみましょう。
 
①同じ工場の一番茶と二番茶の茶葉の色の違い
次の写真の右が一番茶、左が同じ工場の二番茶です。
ミルい物や深蒸し茶だと一番茶二番茶の比較がしにくいので、
今回ややコワ葉になった普通蒸し煎茶を用意しました。
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どちらも同じ工場の製品なので製造技術的には同じ精度で揉まれています。
にもかかわらず右の一番茶に比べ、二番茶がやや黄色いのが見て取れますが
、この違いは大雑把にお話すると次の2点によるものです。
1、一番茶に比べ二番茶はもともと繊維質が多い(葉がかたい)
2、二番茶製造時期は気温及び湿度が高いため、製造時の機械設定に制約がある
この様に一口にお茶と言っても茶期の違いで、製品に差が出ます。
 
②同じ二番茶の火入れ前と火入れ後の茶葉の違い
写真左が火入れ前荒茶を仕上ただけの茶葉、右がそれを火入れしたものです。
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火入れ前の茶葉にくらべ、火入れ後の茶葉が
黄色く褐色になっているのが良く判ります。
「火入れ」とは、荒茶に残っている5~6%程度の水分を
2%以下にして製品が含有水分により劣化するのを
防ぐための乾燥をしながら、香味を整えるための焙煎をすることをいいます。
ここで茶葉の色の変化を気にしすぎて「火入れ温度」を加減してしまうと、
美味しいお茶にならないばかりか、
出荷後の販売店の店頭やお客様のお手元に届いてからの劣化が
急速に進んでしまうお茶になってしまいます。
 
以上、茶葉の色を観察してみました。今日わかったことは①一番茶は二番茶よりも色が明るいみどりできれい ②火入れをすると茶葉の色は黄色くなるが、香味が良くなり劣化しにくくなる。この2点でした。
 
葉桐では茶葉の色や水色よりも、お茶の「香味」優先で火入れをしています。
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それでは、またお会いしましょう。
 
 
 
 
 
 
 
 

こんにちは。

静岡 山奥のお茶屋 葉桐 です。

前回静岡茶の製造方法vol.1では、お茶の葉が持つ「酸化酵素」についてお話しました。

本日のvol.2では、いよいよ蒸し製緑茶について考えるために、「蒸気」のことを追及しながら、話をすすめます。

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実際の製造現場では、蒸気の温度だけでなく蒸気の流量、その圧力や原料である生葉流量、生葉の質、製造環境の気温や湿度、さらに風力、風向きなど様々な要素が複合して影響し合うので下記のような単純な理屈通りにはならない事を承知の上でお読みください。

 

まずは、「蒸気」について考えてみます。蒸し製緑茶では、生葉を摘採した直後に「蒸気」を使って、生葉が持っている酸化酵素を100%失活させます。このことにより「緑茶」は紅茶や烏龍茶ではなく「緑茶」になります。いわば『生葉が持つ酸化酵素を100%失活させることが、緑茶製法の「絶対条件」』と言うことが出来ます。

勿論、摘採直後から酸化酵素はその活動をはじめますので、ここで言う「100%」とは、「製造の蒸し工程に入る時に残っている酸化酵素全部」の意味となります。

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実はここ「残っている酸化酵素」も製造した緑茶品質や、その香味を決定づける重要なファクターなのでしっかり説明したいのですが、ここで広げてしまうと「蒸し製緑茶製法」の話に戻れなくなってしまいますので、これはまた後日ということにします。

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蒸気を使って「蒸す」ことで酸化酵素を失活させているお茶を指して、「蒸し製緑茶」と呼んでいるわけですから、この状態の緑茶は酸化酵素が100%失活していることになります。このことを良く覚えておいてください。

 

では蒸し製緑茶製法で行っている「蒸す」とはどんな作業なのでしょうか?

 

簡単に言うと、「蒸気が持つ熱量を利用して、生葉が持つ酸化酵素を失活させる作業」であると言えます。

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この場合の蒸気が持つ熱量とは蒸気1gあたり約540カロリーある潜熱を指しています。

つまり、蒸し製緑茶の「蒸し」は、形も質量もある原料(生葉)の中に散在している酸化酵素を「100%」失活させるために、この潜熱を利用して行われる作業です。

潜熱が利用される理由は、「100℃の蒸気1gが100℃の水(熱湯)1gになる瞬間にだけ、540カロリーの熱量を、原料である生葉に渡すことが出来る能力をもつから」です。

100℃の水(熱湯)が99℃の水(熱湯)になるときは僅か1カロリー、101℃の蒸気が100℃の蒸気に変わるときは約0.5カロリーの能力しかないことを考えると、100℃蒸気→100℃水(熱湯)のパフォーマンスは特筆すべきなのです。

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このスーパーパフォーマンス潜熱を持った100℃の蒸気が生葉に出会った瞬間に、「水」(100℃の湯)に戻り1gあたり約540カロリーの熱量を生葉に渡すことで蒸し製緑茶製法で理想とする、「均一な蒸し」がなされるのです。

 

この「蒸し」に関する理論が蒸し製緑茶製造の核心なので、くどくなりました。

 

 

ここまでの話でお分りかとは思いますが、「蒸し」た状態の蒸された生葉は、「100%」酵素失活しているわけです。

それ以下では緑茶にはならないので茶業者が無責任に使う「浅蒸し茶」(葉桐でも使ってしまいます)は蒸し製緑茶には有り得ない事にお気づきだと思います。

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また、「100%」酵素失活させた生葉をさらに蒸して「深蒸し茶」と言っていますがこれも製法を表す言葉ではなく、ステーキの焼き方で言うところの「ウエルダン」に近いものと思っていただけたら、理解しやすいと思います。

 

 

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以上「蒸し」と「蒸気」についてでした。次回は、生葉について考えてみたいと思います。

では、またお目にかかりましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

お茶の楽しみ方  「お茶の葉を廻して 見る」

こんにちは。

今日は、お茶の葉を「廻して」見てみます。

よれるだけよってみました。

お茶の葉の精緻な作りをじっくりと観察していただけます。

http://youtu.be/y5c8fMSrYl4

しっかり撚り込まれ、表面が鈍く光っている様は、なんだかお茶の葉ではないみたいですね。

経験を積まれた、生産家の技術が成せる技です。

1分弱の動画です。では、ご覧ください。

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静岡のお茶屋 葉桐でした。

今回は、日本茶「蒸し製緑茶製法」についてお話をしていきます。
かなり長い話なので次のように4部作に分けて解り易く、簡単に書いてみたいと思います。

Vol.1 酸化酵素について ---今回

Vol.2 「蒸し」と「蒸気」について

Vol.3 原料である生葉について

Vol.4 製法、製造技術について

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さて、第1部では、緑茶の製造に大きく関わる酵素について理解を深めます。この酵素がわかると、緑茶だけでなく、発酵茶の紅茶や烏龍茶などの半発酵茶についても、理解が深まります。

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まずは、お話を進める上での前提条件を設定します。

私こと静岡のお茶屋 葉桐は、抹茶を扱うことが少ない静岡のお茶屋なので、ここでは一般的な煎茶(深蒸し煎茶を含む)や玉露等の蒸した後、揉みながら乾かして作るお茶に関してのお話をしていきます。

また、蒸し製緑茶の話をご理解していただくために、お茶の葉が持つ「酸化酵素」についてお話をします。この「酸化酵素」についての理解が抜けてしまうと、蒸し製緑茶製法の話が見えにくくなりますので、しばしお付き合いください。

それでは始めます。緑茶の原料であるお茶の生葉(新芽を摘採したもの)には、「酸化酵素」が存在しています。この酸化酵素は文字通り、お茶の葉を「酸化」させる働きをします。この酵素が働くとお茶は発酵(本当は酸化しているのですが、なぜか茶業界では昔から発酵と言われている)し始めます。

ところで、日本の緑茶は、生葉をすぐに加熱して酸化酵素の働きを止める、「不発酵茶」です。

この発酵を最後までさせるとお茶は「紅茶」になり、途中で止めると止めたときの発酵の進み具合などにより、「包種茶」「烏龍茶」「鉄観音茶」等の半発酵茶になります。これらの半発酵茶の場合、途中で酸化酵素の働き(発酵)を止める手段として、多くの場合「釜炒り」の熱によって残った酸化酵素の働きを失活させています。

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≪写真はGABA茶(ギャバロン茶)、嫌気処理後に「釜炒り」で酸化酵素を失活させています≫

 

一方、これから話を進めて行く「蒸し製緑茶」では、酸化酵素が仕事をする前に、生葉を「蒸気で蒸す」事でその酸化酵素の働きを止めます。

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蒸し製緑茶の製法では、原料となる「生葉」と、その生葉の酸化酵素を失活させる「蒸気」が主役となります。

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…今回vol.1はここまで。次回は、「蒸気」について考えたいと思います。

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静岡のお茶屋 葉桐でした。